↑映画は見てません。もちろん漫画も読んでません。松岡英明の曲名からです。
昨日ずっと買いそびれてた倉橋由美子「パルタイ」を買ったんだけど、レジへ持っていって驚いた。
なんで文庫本が1200円もすんの!?
つまりさ。一緒に買った谷崎潤一郎「文章読本」が571円だったわけですが、その2倍以上の価値があると、そういうわけですか。小林秀雄が「いいものが高いという常識が成り立たないのは書籍となんとかだけだ」とかなんとか言ったとかいわないとかこの前新聞に書いてありましたけど、それにしたってボり過ぎ。倉橋由美子。サヨクめ!
さてSWEETSの話題。
以前にも書いた母親の知り合いの店がオープンしたので行ってきた。名前はMATSUNOSUKE N.Y.という。
場所は旧山手通り沿い、ヒルサイドテラスの…あれはD棟かな? ハリランの斜め向かいの横断歩道を渡ったあたり。
代官山で日曜の午後混んでなかったら(この先の経営が)ヤバいなと思いながら行ったところ、オープン後初の週末ということもあり、さすがに満席。先に買い物をして時間をつぶしてからもう一度行ったらちょうど客が帰るところだったのでようやく入れた。
入れたのはいいが、ケーキがほとんど売り切れで残っていたのはオレンジケーキのみ。しょうがないのでそれを頼む。N.Y.と銘打っているわりにはカフェラテはイタリアンスタイルで出てきた。
○よいところ
・安い(ケーキ300円くらい)わりには美味しい。
・近い(代官山のカフェは駅から遠いところが多い)
×悪いところ
・店狭すぎ。
席数を減らして、あとショーケースとレジ台は厨房を削ってでも奥に引っ込めるべき。
まあ、店員が不慣れとかケーキの数の見積もりとかはこれから改善していくと思う。オープン直後で客が来すぎってのもあるだろうしな。
それにしても客と同人数くらいスタッフがいて、あの狭い店の中ひしめき合ってるのはいかがなものか。にも関わらず対応が遅い。主な原因はテイクアウトの対応に時間をとられすぎてるせいと思われる。
だけどたとえば自由が丘のマコーズ(そういえば店名変わったんだったな。なんだっけ?)は席数はここよりもかなり多く、テイクアウトも結構繁盛してるけどスタッフの数は同じくらいで特に問題なくやってる。多分思うに注文からモノが出てくるまでの時間で調整してるのだと思う。というか普通どこの店でも混んでるときは注文からモノが出てくるまでの時間が長くなるものだ。だからそこが少々長かったり短かったり(短いに越したことはないが)するのはあまり気にならないのだが、たとえば店に入っても案内の店員が来なかったり挨拶が遅れたり、注文を取りに来なかったり、店員を呼んでも毎度「少々お待ちください」といわれたりすると何がそんなに忙しいんだと思うわけで。
あのロケーションだと場代はかなりのものだろう。回転率とか色々計算してあの席数になったのだろうけど、正直、スタッフの数と客の数を合わせた人口密度は少々息苦しい。息苦しそうなカフェ、入ります? 代官山のカフェなんて買い物疲れを癒すために入るわけですから少々客単価を上げてでも席数減らしたほうがいいと思うんですよね。通りをはさんで向かいのカフェなんて何の変哲もないサンドイッチだけで1000円以上もする超ボッタクリですよ。椅子が無駄に豪華なの。ミースとかコルビュジェ。椅子代払わされてるとしか思えない。それでもボチボチ客入ってますからね。
あるいはコンスタントにあれくらい客が入るならセルフ方式(先にレジで注文と会計をして、あとは「ご用意できましたらお席までお持ちします」みたいな)にすればスタッフの負担が軽減すると思う。不動前のマコーズがそうだったけど、安っぽい感じはしなかったし。
わりと最近流行りのカフェってメニューがどれも似たり寄ったりっていうか、そういう感じなので、ここのN.Y.スタイルのケーキってのは目新しいと思うんですよね。うまくやれば結構はやると思うんですけど。
で、話は変わって昨日は父親の誕生日だったらしく、母親が地元のケーキ屋にケーキを買いに行ったらしいのですが、そこの味がものすごい落ちてショック、という話。
問題の店はドイツで菓子作りを学んできたご主人が店の奥で働いてて奥さんと子どもが店番してるみたいな家族経営で、店内にケーキとお茶をいただけるスペースみたいのもある感じ。小さいころは家族でよく食べに行ってたので家族ぐるみの付き合いというかなんというか。
そんな小さなお店の割にはドイツ風の西洋菓子の味は非常にハイレベルで、ザッハトルテとかヤバかった。本場のより全然美味い(本場のは甘ったるいだけでちょっと……)。店の内装とか包装紙とかのデザインも全然安っぽさがなくて、創業ウン百年の老舗を思わせる素晴らしさだった。
そのうち、その店のスウィートポテトが雑誌に取り上げられたりして人気商品になり、新たに店舗を作ったりと繁盛してきたのだけど、こっちは家族でケーキを食べるなんて機会もなくなり、それでもそのポテトはどこへ持っていっても好評だったので贈り物とか手土産に重宝していたのです。
で、久しぶりに買ったその店のケーキはどこをどう間違えたか、味が落ちたどころではなくちょっと食べるに耐えないまずさに。チョコレートはカカオ何%入ってんのってくらい安っぽい味だし、クリームも私は食べてないけどやっぱり安っぽすぎて食べられないくらいらしい。
店番はずいぶん前からパートの人になっていて、菓子を作るのも専用の工場ができてそちらに移っていたのだけど、こんな味になっているとは思わなかった。衝撃だ。
おそらくご主人が引退して誰か別の人が引き継いだのだろう。というかもう店自体を売り渡したのかもしれない。でもそれだけでここまで変わるとは……よく一流レストランでもシェフが変わっただけでがたっと人気が落ちたりするけど、あらためて味を守ることって難しいなと思った。