July 27, 2003

eye catch 第二十九回


定員オーバーの4人を乗せた騎獣がうつろな顔で「蓬莱が見える…」などと言い出した頃、ようやく古周についた。
騎獣を返し、堯天へ向かう。
街道で追剥ぎを軽くいなし、「セル戦後に天下一武道会にでる孫悟空」の気分をしみじみと噛みしめる。と、そこに行き倒れがいた。
お、これが噂の「行き倒れイベ」!
なんでも助けてあげるとすごい美人のねいちゃんが「ウチへ来て v 」などと言ってくれるらしい。
戴で山賊からたんまり金をせしめていたので、食料の一つや二つ、くれてやる!と気が大きくなっていた。
「おーい、生きてるか〜? これ喰えよ」
Bさんが抱き起こす。と、美人のねいちゃんではなくおっさんだった。
だまされた!…と思ったのはもちろんBさんだけではない。
テンションめっさ下がった我がPTの前でむしゃむしゃと喰い続けるおっさん。
あほらしいので我々は堯天へ急ぐことにした。
「まてよ」
いきなりおっさんの声のトーンが変わる。懐に光るものを認めた瞬間。バーサーカーズ一同は小躍りした。
やったっ!戦いだ!…弱そうだけどこの際構うもんかい!
いきなり目が輝いた我々をみて一瞬おっさんがひるんだ。その瞬間、おっさんの首は胴体と離れ離れになって茂みの中へダイブしていった。
「!?」
Bさんが首のなくなったおっさんの体を手放して立ちあがる。視線の先にあるのはキキだった。
獲物を横取りされたバーサーカーズの怒りは深い。キキといえども容赦はせん!
我々が武器を構えたとたん、そのキキすらバタリと倒れた。
「なんなんだよー!」
アニキが叫ぶと同時に、茂みから妙齢の女性が駆け出してきた。携えた青竜刀には鮮血がしたたっている。
「大丈夫?」
我々は急展開につぐ急展開に言葉を失っていた。
女性は構わず我々の無事を確かめると、
「悪いけど、急いでるの。あなた達も気をつけてね。じゃっ!」
と片手をあげて小走りに駆けていった。

当初の予定:「きれいなおねいちゃんを助けてウハウハ」
          ↓
次のねらい:「おっさんと戦ってうっぷん晴らし」
          ↓
次のねらい:「おっさんを倒そうとしていたことなど忘れてキキ相手に弔い合戦」
          ↓
結果:「きれいなねいちゃんに獲物を奪われてある意味欲求不満」

中途半端に予定が達成されたせいで怒っていいのか泣いていいのか、喜ぶべきなのか、我々は混乱してしまった。混乱してしまったのでおっさんを埋葬するのも忘れてとりあえずオクラホマミキサーを踊りながら堯天へ向かった。
堯天へ着く頃にはオクラホマミキサーを完ぺきに踊れるくらいには正気を取り戻していた。

Posted by psi at 08:07 PM | eye catch TrackBack (0)
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