今日は久しぶりにとてもよく晴れていて暖かかったのですが、それでも空気の匂いはすっかり秋色でしたね。
(詩人だなあ、おい!)
今日の買い物(CD)
ショパン3枚組/なんかニューヨークフィルのひと
私多分CD400枚くらい持ってますが、クラシックのCDは初めてかもしんない…
クラシックが嫌い、という訳ではないんです。知識は全然ないですが、むしろどちらかといえば好きなんです。でも、ポップスなら「○○の新譜がでたから」とかなんかしら買うとっかかりがあるわけですよ。ところがクラシックと来たらいつでもどこでも売ってるし、作曲家買いすればいいのか演奏家買いすればいいのか、指揮者買いすればいいのか。さっぱりですよ、奥さん。
しかも曲名も「前奏曲」とか「交響曲第○番」とか。区別出来ねーちゅーの。
そして値段も意味分かんないくらい安かったりして。
逆に買う機会を逃し続けてきたのです。
それがなんで今日買ったかと言うとですね、私と違ってダンナはほとんど音楽を聴かない人なんですが、時たま「なんか秋だし、久しぶりにCDでも買うか」とか言い出すわけですよ。
「秋と言えば?」と訊くので、
「う、うーん、とりあえずレゲエとかボッサではなさそうな気がする」
「だよな」
「ク、…クラシックとか?」
「オレもそう思った」
そんなわけで、「秋の夜長にはクラシックじゃないか?」ということになり、想像するとなんだかオトナな感じがして気分が良かったのでついでに私もこの機会に買ってしまおうと思ったわけです。
オーケストラはちょっと暑苦しいので、ピアノ曲かなくらいは思ってましたが他はなんのイメージも湧かないまま渋谷タワレコ6Fのクラシックフロアへ。
これまた未踏の地でしてね…
フロア全体を占拠するCDの列になかば呆然としながらぐるりと一周。
「……何を買っていいのかさっぱりわからない」
私もまったく同感です。
「結局さ、どうせ何にも分かんないんだからヒットチャートの一位の奴とか買えばいいんじゃない?」
と、提案するとヤツも同意。
…んが。POP/ROCKフロアなら売上げBEST30とかが並べてあるところにヒットチャートがない。
そりゃそうだよな、クラシックにヒットもクソもねぇよな、とガックリ来て、ワゴンにある投売りCDを漁りはじめる。しかしそれもやはりムリ。POP/ROCKですらワゴンセールで買い物をするのは気力のいる作業なのに、全く知識のないクラシックでやるのは無謀というものでした。
「やっぱジャケ買いじゃね?」
ということで新譜コーナーでもっともジャケがイケてるCDを探すことに。でもまあ、基本的にクラシックのCDのジャケには全く工夫がみられないわけですよ。若干オシャレ目のやつがいくつかあったんですが、決め手に欠ける感は否めず、もう一度フロアを回りはじめる。
あ、売上げベスト10ありましたよ、こんな隅っこに。
一位はなんとか交響楽団のベートーベンで、しかもボックスセットみたいなやつ。まあ、全然高くないんですが。ワタシは『ベートーベンは暑苦しいからヤだな(主にルックスが)』と思い、2位のオネェさんのCDなんて美人だしいいんじゃないかと思ったわけですよ。あの、ショパンコンクールで優勝したよく新聞とかに名前がのってる有名なおねえさんですよ(と、いいながらもう名前忘れたが)。ところがさ、当初の目的はピアノ曲ですよ。そのお姉さんはバイオリンの人なんですね。まあ今考えるとバイオリンでも良かった気がするんですが、その時は数年前聴いたバイオリンでタンゴを熱演するお姉さんのコンサートを思い出し、暑苦しいイメージを抱いてしまったので却下。三位以下はジャケがダサかったので却下。
……あっ!!!スティーブ・ライヒだ!!
言葉の通じぬ異国の地で一か月ぶりに日本人に会ったかのようなえも言えぬ嬉しさ。
初めて自分がCDを持っているアーティストの名前を見つけました。
売上げ8位ですよ、わーい。
よく見るとフロアの一角に現代音楽のコーナーがありました。
スティーブ・ライヒもジョン・ケージもすげえ揃ってますよ。なんだ。
私は現代音楽は5Fの音響/アウ゛ァン・ポップ/ニューエージのコーナーにあるもんだと思ってましたよ。5FでライヒのCD探して「品揃えわりぃなぁ」とか思ってたんですが、ここに来れば良かったんですね。
でも現代音楽は秋の夜長じゃないのでひとまず却下。
もういい加減疲れてきたし、イミわかんなくなってきました。
ちょっと整理して考えよう。
結局、決め手がなければ買わないわけだから、作曲家は知ってる人じゃなきゃダメだろう。
・知ってる作曲家
・ピアノ曲
・曲名でどんな曲かわかる
・演奏家も名前くらいは聴いたことがある方が良い
・ジャケがそこそこ見れる
ピアノ曲の作曲家で曲名言われてわかる人なんつったらショパンくらいしか思い浮かばなかったわけですよ。しかも1曲2曲じゃなくて、ある程度たくさんわかるとなると。
じゃあショパンだ、とショパンコーナーへ。
あ、アルゲリッチだ。
何を隠そう、うちの助○授室にはこの人のデカいポスターが二枚貼ってある。最初見た時はこの先生ヤベェと思ってトンズラこきたくなりました。研究室選択間違えたと激しく後悔しました。今やもう慣れましたが、ポスターには。
まあ、彼の影響を受けるようで癪ですが、一応顔まで知ってる演奏家ということで、彼女のCDをチェック。前奏曲のCDが多い。夜想曲はないのか。幻想即興曲は。
推測ですけど、ショパンを弾かせたらこの人、リストならこの人、バッハならこの人みたいのあると思うんですよね。その中でも、例えば前奏曲はこの人とか、ワルツはこの人とかもあると見え。
アルゲリッチはどちらかというと前奏曲派のようです。前奏曲?…ってどんな曲だよ、おい。
やっぱり秋の夜長なんだから夜想曲は入っていて欲しい。
しかもポスターとは違ってCDのジャケは歳食ったアルゲリッチのアップ写真で見るのに堪え難い。
というわけでアルゲリッチは却下。
「戦場のピアニスト」のサントラと言う手も考えました。とっかかりは十分にあるし、デザインもこなれてる。が、べつにそれだったら6Fで買わなくてもいいじゃん、というセルフ突っ込みと、4枚組1000円とかのCDが普通にあるクラシック界で、この曲数で2500円なんてサントラと言う地位にあぐらをかいている!(何 と思うと癪だったので、これも却下。
再び振り出しに戻り、悩んでいるとダンナがやってきて「決まった」という。作曲家の名前はよく見なかったが、ジャケがロシアンアバンギャルドみたいなクラシックのCDには珍しい感じだった。完全にジャケ買いだ、こいつ。
私は焦って、そこらのCDを手当りしだい見ていったら、鮮やかなグリーンのジャケが目に飛び込んできた。なんか葉脈の写真。シンプルで良い。裏を見ると夜想曲も幻想即興曲も入っている。3枚組で1600円。そこそこお買得。ってか、J-POPのCDと比べたら1/6(笑)。よし、これにしよう。
…と、いうわけでこれになりました。今聴いてる。
思ったほどオトナな気分にはなりませんが、まあ結構いいんじゃないかと思います。