昨日、日本産最後のトキが死亡しニッポニアニッポンが絶滅したわけですが(?中国産のトキも学名はニッポニアニッポンなんだろうか?)、なんだか妙に切ない気分になってしまいます。
以前にも書きましたが私は保守的な人間なので、最初から手に入らない事は苦にしませんが、何かを失う事には過剰なほどに抵抗感を感じます。
それでも、これがトキでなく、アフリカのなんたらゾウとかだったら、ここまで切なくはない気がします。多分、私は日本産のトキに日本ならではの古きよき時代を重ね合わせて見ているのだと思います。
トキが死亡した事で、日本古来の良い文化までが失われてしまったような、そんな気になっているのだと思います。
しかし、良きにつけ悪しきにつけ時代は変わるわけで、その過程で何かが消えていくのは避ける事が出来ない事です。平安時代の文化をそのまま保持し続けるなどと言う事は無理なわけで。よしんばできたとして、それは進歩という概念を拒否しているに過ぎません。
ですから、せめてトキには大往生を願うわけです。良きものが、良きもののまま過去のものとなりますように。
…ところが!
直接の死因は老衰ではなく、事故であることが判明。
突然飛び立って、ケージの枠に頭をぶつけたためそのショックによる死だそうです。
近ごろは目も見えず、飛ぶ事もなかったという「キン」が、なぜ突然羽ばたいたのか。
おそらく死ぬ前の何かの発作的なものだと思います。どのみち死は避けようがなかったと思うし、事故が防げたとも思えないのですが、なんだか余計哀しくなってしまったのも事実です。
なぜ、最期に飛ばせてあげられなかったのか。
おそらく、飼育係の人もそう思ってるんじゃないでしょうか。