直島のプロジェクトなどで有名な現代美術家の宮島達男の「参加型」新プロジェクト。
購入すると、webカメラとCD-ROMが送られてきて、それで自分の写真を撮り、「死ぬまでの時間」を設定する。(実際は「死ぬまでの時間」を設定した後、購入手続をする)
CD-ROMに収録されたアプリケーションをインストールすると、webカメラで記録した自分の静止画像上で「死の時」までのカウントダウンが繰り返される、というもの。
おまけ(?)として、自分の「死の時」までの時間が記された「SOPH.」のセーターがついてくる。
あと、パリで催されるネットイベントへ自動エントリーされるとか。
そんなこんなをまとめたパッケージがなんと50万円。‥‥買えるかっつーの。
まあ、宮島達男の作品としては破格に安い訳ですが、気軽に参加、とはいきませんね。
夏のボーナスが丸々余っちゃって困ってる方とか参加してみてはいかがでしょうか。
ただ、50万円ださなくても、http://www.art-labo.com/にアクセスして、自分の「死の時」をいつに設定するのか、ちょっとだけ考えてみるだけでもこのアートのコンセプトは達成されると思います。
自分の人生の長さは言うまでもなく、自分では設定できません。
出来るとすれば、それは自ら命を絶つことによってのみ達成されます。
自らの「死の時」を設定する行為、それは残された人生の価値を計る行為であると同時に、タナトスを刺激する自慰的な行為でもあります。
刻一刻と減っていくディスプレイ上のデジタル数字を見つめながら、自分の生が「在る」こと、そしてそれが「限られている」ことに思い至る甘美で静粛な時間は、果たして50万円で贖えるものなのかとすら思います。