November 04, 2003

eye catch 生物学的きれいさ

[ DIARY ]

世の中には「物理的きれいさ」「化学的きれいさ」に加え、「生物学的きれいさ」というものがあります。

たとえば、溶媒に可溶な物質AとBがあったとして、その混合溶液にホコリが混ざっていたら、これは物理的にきれいではない状態です。
このホコリを取り除くと、物理的にはきれいな状態になります。
ただし、自分の目的物質がAだったばあい、Bが混合していますから、これは化学的にきれいとはいえません。

逆に純物質(化学的にAのみが含まれる)の中に細菌が飛び込んだ場合、これを化学的にきれいというのかどうか、私はよく知らないのですが、すくなくとも細菌が変な物質を生合成しはじめない限り化学的な挙動には影響しませんから、あまり問題ではありません。

私の専攻は生物系なので、どちらかというと、化学的きれいさよりも、生物学的きれいさが優先されるところがあります。
つまり、身近な例でいえば、
「尿は美しい」
ということになります。細菌がいないから。
実際には、人体にとって不要な物が凝縮されているので、化学的には大変いただけないものであります。
また、風呂にカビが生えて汚いとしても、薬品でカビが全て死滅すれば見た目的に汚いままでもOKということになります。

ひどい専攻です。

さて、なんでこんな話をはじめたかというと、この「生物学的きれいさ」を保つために欠かせない操作があります。
学校では遺伝子操作やらなんやら日常茶飯事に行われているので、「生物学的にきたない」ゴミは一切出してはいけないことになっています。
そこで、実験に用いた器具は、「オートクレーブ」という熱殺菌をしたあとに洗うなり、廃棄するなりするわけですが、
今の今まで私、3ヶ月ほど「オートクレーブ」という単語が思い出せず悩んでいました
生物系研究科の大学院生としてあるまじき事態だと思います。

っていうか、3ヶ月間、「オートクレーブ」という単語を使わなくても学校生活に支障のない研究内容が、果たして生物学的と呼べるのか、非常に不安であります。

Posted by psi at 05:59 PM | eye catch TrackBack (0)
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